殺人犯が蘇生犯を追うという字面の強さ。ただ、それだけの一発ネタ作品ではなくて結構面白かった。蘇生のルール自体はシンプルながら、それで潜在的にできそうなことの幅が広いので意外とこんがらがる。複雑な展開やミスリードもいくらでも仕込めそうだが、これぐらいの塩梅が良いのかも知れない。全然ひでえ話なんだけれど、なんか良い話を読んだ気にさせる印象的なラストだった。
殺人犯が蘇生犯を追うという字面の強さ。ただ、それだけの一発ネタ作品ではなくて結構面白かった。蘇生のルール自体はシンプルながら、それで潜在的にできそうなことの幅が広いので意外とこんがらがる。複雑な展開やミスリードもいくらでも仕込めそうだが、これぐらいの塩梅が良いのかも知れない。全然ひでえ話なんだけれど、なんか良い話を読んだ気にさせる印象的なラストだった。
舞台はヴィクトリア朝京都、大スランプに陥る名探偵、架空の街での非探偵小説的な冒険の記録。ホームズだけでなくおなじみのキャラクターがいろいろ出てきて良い。能力を失った彼らが無為に日々を過ごす前半。ミルキィホームズと同じ導入だ…。どんな小説なのか全く事前知識を持たずに読んだけれど、なかなか楽しかった。こういうやつか。もちろんシリーズの知識があるほど面白いとは思うが、ニワカ知識でもこの種の作品として十分楽しめる。
舞台はヴィクトリア朝京都、大スランプに陥る名探偵、架空の街での非探偵小説的な冒険の記録。ホームズだけでなくおなじみのキャラクターがいろいろ出てきて良い。能力を失った彼らが無為に日々を過ごす前半。ミルキィホームズと同じ導入だ…。どんな小説なのか全く事前知識を持たずに読んだけれど、なかなか楽しかった。こういうやつか。もちろんシリーズの知識があるほど面白いとは思うが、ニワカ知識でもこの種の作品として十分楽しめる。
忌み山と人間消失、複合した謎と連続殺人のシリーズ第四長編。童唄あり見立て殺人ありでお得だ。やったぜ。ただここまで込み入った設定のもとで多量の謎が提示されると、それを100%楽しめる人は限られそう。ごちゃごちゃした人間関係を把握するだけでも大変だ。とは言え、映えるメインギミックや家族を一つの軸とした全体の進行は好みだった。細かい伏線の貼り方も良い塩梅。
忌み山と人間消失、複合した謎と連続殺人のシリーズ第四長編。童唄あり見立て殺人ありでお得だ。やったぜ。ただここまで込み入った設定のもとで多量の謎が提示されると、それを100%楽しめる人は限られそう。ごちゃごちゃした人間関係を把握するだけでも大変だ。とは言え、映えるメインギミックや家族を一つの軸とした全体の進行は好みだった。細かい伏線の貼り方も良い塩梅。
時間旅行SFの古典的名著。訳文が良いのかとても読みやすかった。今読むとこの種のSFとしては王道的な展開に感じるものの、やはり収まるべきところに収まるストーリーが気持ち良く、普遍的な魅力がある。提示される「夏への扉」のイメージは情感豊かで、全体をうまくまとめている。また、対になるタイムマシンのアイデアや時間旅行用の時制に関する思索など細部の書き込みも楽しい。主人公のダニーは適度に愚かで真っすぐで、酷い目にあっても前向きでたくましい。終盤の明るい未来観には作家の視線も感じるところ、ダニーの描き方と良く合っていた。
時間旅行SFの古典的名著。訳文が良いのかとても読みやすかった。今読むとこの種のSFとしては王道的な展開に感じるものの、やはり収まるべきところに収まるストーリーが気持ち良く、普遍的な魅力がある。提示される「夏への扉」のイメージは情感豊かで、全体をうまくまとめている。また、対になるタイムマシンのアイデアや時間旅行用の時制に関する思索など細部の書き込みも楽しい。主人公のダニーは適度に愚かで真っすぐで、酷い目にあっても前向きでたくましい。終盤の明るい未来観には作家の視線も感じるところ、ダニーの描き方と良く合っていた。
ホラー短編集。ミステリ作品しか読んだことがなかったので、ホラー作品もキレキレなんだなこの方って感想になった。キレすぎてる。肉体的な要素を多分に含んだ描写はしばしばグロテスクで、気持ち悪く悍ましいのになぜか目が離せない。得体のしれない何かに取り憑かれるイメージが各編にはあって、同時に読者もそこに取り込まれそうな引力がある。各編の設定自体は割合シンプルに感じるものの、そこからの展開のさせ方とオチのつけ方は流石だと感じる。表題作のほか、「再生」「特別料理」あたりはちょっと忘れられなさそう。それぞれの愛の話だった。最悪。
ホラー短編集。ミステリ作品しか読んだことがなかったので、ホラー作品もキレキレなんだなこの方って感想になった。キレすぎてる。肉体的な要素を多分に含んだ描写はしばしばグロテスクで、気持ち悪く悍ましいのになぜか目が離せない。得体のしれない何かに取り憑かれるイメージが各編にはあって、同時に読者もそこに取り込まれそうな引力がある。各編の設定自体は割合シンプルに感じるものの、そこからの展開のさせ方とオチのつけ方は流石だと感じる。表題作のほか、「再生」「特別料理」あたりはちょっと忘れられなさそう。それぞれの愛の話だった。最悪。
流石にめちゃくちゃ面白かったか。終末世界のクローズドサークル、無数の謎の石球と大量の神秘的な密室。そんなアホなみたいな箇所もなくはないと思うのだけれど、たぶんそれも魅力の一部で、何より統一された世界観の上で構築されるミステリはとても好み。あと密室殺人がたくさん出てきてお得。一密室あたりの単価が安い。印象に残る解決編とラストだった。
流石にめちゃくちゃ面白かったか。終末世界のクローズドサークル、無数の謎の石球と大量の神秘的な密室。そんなアホなみたいな箇所もなくはないと思うのだけれど、たぶんそれも魅力の一部で、何より統一された世界観の上で構築されるミステリはとても好み。あと密室殺人がたくさん出てきてお得。一密室あたりの単価が安い。印象に残る解決編とラストだった。
怪談が繋がっていく連作短編。良いホラーだった。良く出来てる。あるいは出来すぎてると感じる人もいるかもしれない。作家は嫌な話を書くことに定評がある(?)ところ、それだけではなく間違いなく怖い話になっていた。話の通じない人、論理が相容れない人は怖い。ただ、話の通じない人が何を見ているかというのはもっと怖いのかもしれない。繋がりがあることも繋がりがないことも、ホラー作品の要素ではある。ストーリーを通じて因縁が浮かび上がることもあれば、理解できないものを突きつけられることもある。作中にあった怪異と論理の話が面白かった。
怪談が繋がっていく連作短編。良いホラーだった。良く出来てる。あるいは出来すぎてると感じる人もいるかもしれない。作家は嫌な話を書くことに定評がある(?)ところ、それだけではなく間違いなく怖い話になっていた。話の通じない人、論理が相容れない人は怖い。ただ、話の通じない人が何を見ているかというのはもっと怖いのかもしれない。繋がりがあることも繋がりがないことも、ホラー作品の要素ではある。ストーリーを通じて因縁が浮かび上がることもあれば、理解できないものを突きつけられることもある。作中にあった怪異と論理の話が面白かった。
面白すぎてた。最初から最後まで。帝国やらリヴァイアサンやら生体改変やらが出てくる世界観のもとで展開する物語がエンタメとして間違いなさ過ぎる。事件と推理があって陰謀と対決があって関係性があって、それらが全て異世界で異なった法則と常識の上で書き込まれている。同時に、国と正義に関わるストーリーやそれぞれの思いを持って生きている人々には普遍的な惹きがある。焦点を合わせられるのが公務員っていうのがまた良い。メインの二人を中心にキャラクターも素晴らしくて、生き生きとした描写がより世界を魅力的なものにしていた。
面白すぎてた。最初から最後まで。帝国やらリヴァイアサンやら生体改変やらが出てくる世界観のもとで展開する物語がエンタメとして間違いなさ過ぎる。事件と推理があって陰謀と対決があって関係性があって、それらが全て異世界で異なった法則と常識の上で書き込まれている。同時に、国と正義に関わるストーリーやそれぞれの思いを持って生きている人々には普遍的な惹きがある。焦点を合わせられるのが公務員っていうのがまた良い。メインの二人を中心にキャラクターも素晴らしくて、生き生きとした描写がより世界を魅力的なものにしていた。
めっちゃ良かった。こんなんいっちゃん好きやからね。山間の村と予言のけもの、少女からの不可思議な手紙。異様な長さのそれにおいて延々と書き連ねられるのは「お化けの話」。どこか共通点がありつつ無軌道にも思えるエピソードが積み重なっていくうちに、少しずつ背景が明らかになり、終わりに向けてそこに込められた意味が浮かび上がる。作家の過去作も好みだったのだけれど、今作はまた違った趣向でその上でとても魅力的なものになっていたと思う。
めっちゃ良かった。こんなんいっちゃん好きやからね。山間の村と予言のけもの、少女からの不可思議な手紙。異様な長さのそれにおいて延々と書き連ねられるのは「お化けの話」。どこか共通点がありつつ無軌道にも思えるエピソードが積み重なっていくうちに、少しずつ背景が明らかになり、終わりに向けてそこに込められた意味が浮かび上がる。作家の過去作も好みだったのだけれど、今作はまた違った趣向でその上でとても魅力的なものになっていたと思う。
パンチの効きすぎているタイトルと表紙から想像するほどおどろおどろしいものではなかったかもしれない。冒頭にあるように「なんかちょっと気色悪いわあ」って感じ。連作形式の各編はそれぞれ説明できないものと対峙するもやもやした厭な話になっている。まりかと先生を中心にキャラのたった登場人物がいて、京言葉の会話なんかも雰囲気があって良いし、ところどころの可笑しみのある表現も目につく。はんなり(?)した日常と気味の悪い怪異のアンバランスをどう感じるかで感想が変わりそう。また、視点が三人称なので感情移入がしにくく、それも作品をとらえどころのないものにしている気がした。
パンチの効きすぎているタイトルと表紙から想像するほどおどろおどろしいものではなかったかもしれない。冒頭にあるように「なんかちょっと気色悪いわあ」って感じ。連作形式の各編はそれぞれ説明できないものと対峙するもやもやした厭な話になっている。まりかと先生を中心にキャラのたった登場人物がいて、京言葉の会話なんかも雰囲気があって良いし、ところどころの可笑しみのある表現も目につく。はんなり(?)した日常と気味の悪い怪異のアンバランスをどう感じるかで感想が変わりそう。また、視点が三人称なので感情移入がしにくく、それも作品をとらえどころのないものにしている気がした。