水面叩
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tatakuminamo.bsky.social
水面叩
@tatakuminamo.bsky.social
みなもたたく、と呼んでください。
俳句と短歌をやってます。
読書をしたり映画も観ます。
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今年の上半期自選十句です。
去年よりはいい出来だったかなと思います。

#俳句 #haiku

国栖奏の鈴ひとふりや山に雪
成人の日をはればれと寝て過ごす
われ以外みんな上京冬菜畑
樹木医のかろき木槌や春きざす
花冷えや医者に診せゐし外性器
びろびろの象のくちびる水温む
春逝くや町をつらぬく長良川
空席多しバード・ウィークの営業部
梅雨入りや眼圧測定器より風
明け易き祖父の懐中時計かな
『いけない』道尾秀介

読了。四作収録されているミステリの短編集。それぞれの短編の最後に「写真」が付いていて、それによって隠された真実が明かされるという仕掛けが売りなのだが、そこの驚きは期待したほどでもなかった。解決編を写真一枚で済ませているようなもので、大どんでん返しというよりも答え合わせに近い。ただ、小説そのものが面白かったので満足感は高い。特に第三章はよかった。救われたような救われないようなどっちつかずの書き口も写真の仕掛けがもたらす後味とよく合っていた。
October 7, 2026 at 10:03 PM
『シビル・ウォー アメリカ最後の日』

観た。めちゃくちゃ面白かった。内戦中のアメリカを西海岸からワシントンDCまで車で走る戦場ジャーナリストの話。A24が戦争映画を作るとこうなるのかという納得感と感動。とにかく画作りがよく、どのシーンも画面が綺麗で印象に残る。挿入歌の使い方も抜群におしゃれで、読者の心にぴたっとはまる。戦争映画ではあるものの、反戦メッセージは少なめで登場人物の内面描写に焦点が当てられており、その撮り方もよかった。A24らしい不気味さも散りばめられていて大満足。
October 6, 2026 at 11:28 AM
桟橋をオールで押してはなれゆく心細さの九月なりけり

2026.10.4 東京歌壇 東直子選
取っていただきました。

#短歌 #東京歌壇
October 4, 2026 at 1:03 AM
おにぎりのなかに海老天秋の雲

2026.10.4 東京俳壇 小澤實選
取っていただきました。

#俳句 #東京俳壇
October 4, 2026 at 1:00 AM
『パブリック』西生ゆかり

読了。独創的でパワフルできらきらした句集。かなり好み。こんな句作りたいなぁ、を飛び越して、こんな句は作れないから俳句辞めるか、まで気持ちを持っていかれるくらい輝いている句が並ぶ。句のリズムも、語彙も、情景も突飛なものは無いのだが、切り取り方や世界の把握、取り合わせが上手すぎてため息がでる。これが才能か。あとがきもクール。

無花果や手首の通る鉄格子

身長の順に泣き止む文化の日

鍋焼やもうすぐ終はる資本主義

ソフトクリーム舐むれば個人的な崖

豆皿に置く春愁のティーバッグ

さくらさくらこれは覚えておく桜

#俳句 #haiku
September 28, 2026 at 9:16 AM
投げ銭に混じるキャンディ夜半の秋

2026.9.27 東京俳壇 石田郷子選
取っていただきました。

#俳句 #東京俳壇
September 26, 2026 at 11:55 PM
『星を編む』凪良ゆう

読了。『汝、星のごとく』の続編。前作を補足するような三中編で構成されていて、『汝、星のごとく』の世界観をぐっと押し広げてくれるような理想的な続編だった。前作と違ってコンパクトで比較的前向きなストーリーが傷ついた心をじんわりと癒してくれる。サウナの後の水風呂のようにこの続編をふくめて物語を整えていくのがこの小説群の正しい読み方なのかも(サウナ入ったことないけど)。
凪良ゆうの家族観やジェンダー観の深さも感じ取ることができて満足。家族のカタチの見本市のようであり、共感しすぎて笑っちゃう場面も多くある。思わず配偶者とも共有して笑いあった。
September 17, 2026 at 1:37 PM
『汝、星のごとく』凪良ゆう

読了。最近ヒューマンドラマ小説を読んでいなかったので、心がぐぐぐってなって、うわーっとなる感覚を久しぶりに思い出した。しかも男女二人の主人公の視点がスパイラル的に入れ替わり、心がうじうじして、ぐわーっとなる。並の作家では踏み込まない領域へずぶずぶと沈んでいくような書き口で、心をぐばっと掴まれる。かなり精神を削られた。本屋大賞は読みやすいながらも、肉厚で残酷な面白さがあるよね。
あまり続編を好んで読むタチではないのだが、続けて読みたいので『星を編む』をAmazonにお願いした。本当は本屋で買いたいのだけれど。
…それにしても話重くて辛すぎない?ビックリしちゃった。
September 9, 2026 at 12:41 AM
ばあちゃんの家にちいさなエレベーターついてゆっくりのぼる秋の日

2026.9.6 東京歌壇 佐佐木幸綱選
取っていただきました。

#短歌 #東京歌壇
September 5, 2026 at 11:04 PM
『Backrooms』

前情報なしで公開初日のバックルームズ観てきた。アイデアだらけの映画だった。映像もすごかったけど、何より音の演出がよかった。見終わったあとになんとも言えない気分にさせてくれるのはさすがA24スタジオといったところ。
映画館でホラー映画みるのは初めてで少し不安だったけど、自分と同じタイミングで右斜め前のおじさんも「ビクッ」としてたから、こういう映画体験もありやねと感じた。

#映画
September 4, 2026 at 3:41 AM
『るるぶ■■版 蓋ヶ瀬』JTBパブリッシング

読了。るるぶさんのナイス企画力!ちょうど蓋ヶ瀬について知りたかったので、とても助かっちゃいました笑。蓋ヶ瀬の見どころだけじゃなくて、訪れた時の注意事項なんかも載せてくれていて至れり尽くせりです。るるぶを隅から隅まで読破したのはこれが初めてでした!テントの中はのぞかないように気をつけます!
September 2, 2026 at 7:22 AM
『日日是好日 「お茶」が教えてくれた15の幸せ』森下典子

読了。書店のブラインドブックで購入。面白かった。著者がお茶教室に通い始めてからのあれこれを綴ったエッセイ。お茶の作法に翻弄される著者が、読者の思うであろうことを(時には読者以上の熱量で)代弁してくれているのでとても読みやすい。ひとつひとつの所作の描写も丁寧で、静謐なお茶室に座っているような気になる。お茶会に出てみたくなったし、映画も見てみたくなった。巻末にある柳家小三治の解説も最高。
お茶の用語には季語として取られているもの(炉開きなど)も沢山あり、間接的にではあるが季語への理解も深まった気がする。
August 31, 2026 at 8:41 AM
しらしらと雨の過ぎたる端居かな

2026.8.30 東京俳壇 石田郷子選
特選一席で取っていただきました。

#俳句 #東京俳壇
August 30, 2026 at 1:01 AM
俳句甲子園、「勝てる句」が分析されているのか、今年も「あかるい未来を感じる句」か「世界観の大きな句」ばかりが並んでいる。高校生に「高校生らしさ」を押し付けているような感じがしてあまり好きではない。神野紗希を求めすぎている。
競技化することで「正しい句」が定義されてしまうのはある程度仕方ないことではあるが、高校生の作る俳句の幅を狭めないで欲しいとも思う。
August 23, 2026 at 8:59 PM
『異常(アノマリー)』エルヴェ・ル・テリエ

読了。ひとつの不可解な事象をめぐる群像劇。フランスの作者による小説で、ストーリーとしてはSFに分類されるだろうか。たくさんの人物が出てくるが、それぞれのキャラクターの掘り下げが精緻で解像度が高く、それだけでも面白い。大きく三部に分かれており、「異常」が読者へ示される一部のラストから物語が加速していき、すべてが(望まない結末を含みつつ)収束していく。難解な書き口で読みこなすのが少々難しいが、その分文章の巧みさに唸らされることも多かった。内容に言及するべきではないが、小説全体の構成はロールシャッハ・テストを想起させた。
August 20, 2026 at 7:06 AM
ボクサーに赤きタオルや日の盛

2026.8.16 東京俳壇 石田郷子選
取っていただきました。

#俳句 #東京俳壇
August 15, 2026 at 10:04 PM
月涼しだれかの洗濯機がとまる

2026.8.9 東京俳壇 石田郷子選
特選二席で取っていただきました。

#俳句 #東京俳壇
August 8, 2026 at 10:27 PM
『殺し屋の営業術』野宮有

読了。とてもとても面白かった。エンタメ小説としてのひとつの到達点ではないだろうか。凄腕営業マンが殺人請負会社の営業としてノルマ達成のために奔走する話で、言うなれば物騒な『もしドラ』。かなりポップながらしっかりダークな書き口で、商談シーンも裏社会での命のやり取りもどちらも上手に描かれており、ダレることなく走り抜けていった。一冊で書ききったとは思えないほど山場となるシーンが詰め込まれていて、その面白さに唸るばかり。これが本屋大賞の6位?本当?
August 4, 2026 at 4:46 AM
白南風やすべらせて切る裁ち鋏

2026.8.2 東京俳壇 小澤實選
特選一席で取っていただきました。

#俳句 #東京俳壇
August 1, 2026 at 10:57 PM
『月と書く』池田澄子

読了。八十七歳の作者が書いたとは思えない瑞々しい句が並ぶ句集。さすがは池田澄子という感じか。一冊を通して現代仮名遣いで書かれてはいるが、切れ字を使ってみたり口語になったり字余りにしたり文語に戻ったりとその句は変幻自在に姿を変えてゆく。どの句も明るくイキイキとしていて、句集ではなくきれいな音符の並んだ楽譜を読んでいるような気持ちになった。

目も耳もさわればありて菊月夜

蠛蠓とようやく書いて川のほとり

水澄むと書くとワタクシ澄んでしまう

逢いたいと書いてはならぬ月と書く

萩咲いて使い勝手のよい箒

#俳句
July 30, 2026 at 4:16 AM
梅雨空に潰されそうなビル下の蕎麦屋の出汁に浸すおにぎり

2026.7.26 東京歌壇 東直子選
取っていただきました。

#短歌 #東京歌壇
July 25, 2026 at 10:30 PM
『よき時を思う』宮本輝

読了。90歳のおばあちゃんが突然晩餐会をひらくと言いだし、主人公たち家族がその意向に寄り添いながら準備をしていく話。1947年生まれの男性作家が書く現代の29歳女性の話で、携帯の使い方が一昔前だったり、娘が父親にやけにべったりだったり、キャラクター作りがジブリ過ぎたり(この年代の描く若い女性はこうなっちゃうのか)と、引っかかる点は沢山あったが、主人公一族の丁寧な暮らしの描写には作者の造詣の深さを感じられ、興味深く読み進められた。作者の年齢も相まって、時代錯誤でモラルに欠けた表現もあり、同年代にオススメできるかといったら難しいところ。
July 24, 2026 at 3:21 AM
トラックの荷台に犬や夏の浜

2026.7.12 東京俳壇 小澤實選
取っていただきました。

#俳句 #東京俳壇
July 11, 2026 at 9:34 PM
今年の上半期自選四首です。
後半もよろしくお願いします。

#短歌 #tanka

フラダンサーのごとく手と足やはらかくつき出しながら正月が来る
 
もう春ね ほんと春だね 噴水の終わりがすこしみすぼらしいね
 
ダ・ヴィンチはダンスみたいな人体図、描いて死んだよ ねぇ踊ろうよ
 
よく食べてよく膨らんだ支部長が春の化身のように降り来る
June 29, 2026 at 3:29 AM
今年の上半期自選十句です。
去年よりはいい出来だったかなと思います。

#俳句 #haiku

国栖奏の鈴ひとふりや山に雪
成人の日をはればれと寝て過ごす
われ以外みんな上京冬菜畑
樹木医のかろき木槌や春きざす
花冷えや医者に診せゐし外性器
びろびろの象のくちびる水温む
春逝くや町をつらぬく長良川
空席多しバード・ウィークの営業部
梅雨入りや眼圧測定器より風
明け易き祖父の懐中時計かな
June 29, 2026 at 3:28 AM