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読んだ本のことなど書いています。
今朝起きたらアン・カーソンがノーベル文学賞を受賞していた!
フォロイーさんが前に『赤の自伝』の、とあるフレーズを自分の墓石に刻みたいと言っていたことを思い出した。

アン・カーソン『赤の自伝』は、英雄側ではなく怪物視点のギリシア神話を現代を舞台に再構築していて、豊かで独特な表現の重なりとリズムの散文詩で紡がれる物語に、本を読むという行為からこんな種類の衝撃を受ける未知の読書体験がまだあったのかと、読んだ時はとにかく驚き痺れた。
October 9, 2026 at 8:17 AM
終盤の内容に少し触れますが、ジンを統べる古のジンの王たちを前に「われらは奴隷にはならない!」とカイロの街じゅうから集まったジンの群衆が抵抗の言葉を叫びシュプレヒコールが起きるシーンがめちゃくちゃ良かった。
抵抗のきっかけとなる声を最初に毅然として上げたのが、年老いた女性のジンというのも良くて。
それとシティが、栄光と名誉の戦さを始めようとするジンの王たちに向かって、「現代じゃそんなクソゲームはとっくに人間が代わってやってるよ」的な啖呵を切るのも最高にふるっていた。
P・ジェリ・クラーク『精霊を統べる者』が本っ当に面白かった。
クィアな女性主人公とその恋人をはじめ様々な女性たちが活躍するスチームパンクで、真っ当なメッセージに溢れている。大好き。

ジン(精霊)の技術で発展した1912年のエジプトを舞台に、有能でめちゃ洒落者な魔術省の女性エージェントのファトマと、強くて優美で超かっこいいシティの女性カップルと、新人で部署の二人目の女性エージェントのハディアを中心に大スケールの物語が展開するのだけど、特に終盤はド派手な見せ場に次ぐ見せ場がひたすら続き、見たいシーンが全部出てきて凄すぎた。
この全篇が見せ場なの、映画版『LotR 王の帰還』を観た時の感覚だった。
September 20, 2026 at 10:44 AM
P・ジェリ・クラーク『精霊を統べる者』が本っ当に面白かった。
クィアな女性主人公とその恋人をはじめ様々な女性たちが活躍するスチームパンクで、真っ当なメッセージに溢れている。大好き。

ジン(精霊)の技術で発展した1912年のエジプトを舞台に、有能でめちゃ洒落者な魔術省の女性エージェントのファトマと、強くて優美で超かっこいいシティの女性カップルと、新人で部署の二人目の女性エージェントのハディアを中心に大スケールの物語が展開するのだけど、特に終盤はド派手な見せ場に次ぐ見せ場がひたすら続き、見たいシーンが全部出てきて凄すぎた。
この全篇が見せ場なの、映画版『LotR 王の帰還』を観た時の感覚だった。
September 20, 2026 at 7:19 AM
戦争小説で真っ先に思い出すのは、イェジー・コシンスキの『ペインティッド・バード』。映画『異端の鳥』の原作。
戦争中に人間がやれてしまう暴虐と底なしの悪辣さを見続けた少年の変容がひたすら残酷で苦しい。
著者の友人が「この小説は自分達や家族の多くが戦時中にくぐり抜けた経験に比べれば、牧歌的な小説である」と著者を責めた話にはもの凄い衝撃を受けた。

正直トラウマ本であり人に読んでほしいとは全く言えないが、自分の中の戦争や暴力への絶対的な忌避感は、アゴタ・クリストフの『悪童日記』三部作など、子供時代や若い頃に読んだこうした本の読書体験から作られていると思う。
#夏休みオンライン反戦読書デモ2026
August 30, 2026 at 10:47 PM
#夏休みオンライン反戦読書デモ2026

『その人殺しは全然ムダで損だらけの手間にすぎない』

戦争の時代を生きた夢野久作や江戸川乱歩ら作家8人の、戦争をテーマとしたアンソロジー。
ずっと読みたかった山川方夫『夏の葬列』が収録されていたので買ったが、小松左京の『召集令状』がめちゃくちゃ怖かった。戦後生まれの若者たちにどこからともなく赤紙が届き、なすすべなく消えてゆく不条理さと社会の混乱の空気感が怖すぎるホラーSF。
本のタイトルは、巻末に収録されている坂口安吾のエッセイ「もう軍備はいらない」の最後の一文から取られている。
August 30, 2026 at 8:58 AM
#夏休みオンライン反戦読書デモ2026

真尾悦子『新版 いくさ世を生きて 沖縄戦の女たち』

今もなお「戦争は終わっていない」という生々しい感覚を抱えながら暮らす、沖縄戦を生き抜いた女性たちの記憶を聴き取った、戦後33年が経った1978年の記録。
August 25, 2026 at 10:56 AM
昨日久しぶりに見ることができたSNSで「反戦読書デモ」のタグを知り、遅まきながら自分も。
毎年8月に戦争についての課題図書を用意して読んでいたけれど今年は出来なかったので、このタグを参考に探してみる。
August 23, 2026 at 11:33 AM
#夏休みオンライン反戦読書デモ2026

『女たちの太平洋戦争』

1990年に朝日新聞が読者投稿欄で女性から募った戦時中の体験記を、戦後80年を迎えた昨年に再編集した文庫版。
ささいな行動を咎められ憲兵に引っ張られた人々、近所での肩身の狭さから兄に早く兵隊にいって戦死してほしいと願った人、各地の大空襲や沖縄戦での凄惨な光景、国外での苦難、戦時下の学校や家庭や軍需工場での日々について、100人を超す投稿者の方々の過酷な体験が収録されている。
これまで語る場を得られなかった女性たちの声を聴いた貴重な記録。
August 23, 2026 at 11:23 AM
家族の死亡後にしなければいけない各種手続きをほぼ終えたのだけど、ある手続きに行った先の担当の人から「なぜお孫さんが来るんですか?息子さんはいないんですか?」と訊かれて戸惑ってしまった。
故人に息子がいるかどうかなんて、謄本を見せてもいない段階でこの人には分かるはずもないのに、なぜ息子を指定して問うのか意味不明すぎて。

しかも全く別の所でも同じことを言われて、二度ビックリした。
孫よりも子のほうが相続順位が上だからこう訊くのかもしれないけど、子供の有無を確認するのではなく「息子」限定で言ってくるのは何でなの……?息子がいない人もたくさんいるでしょ???
August 22, 2026 at 10:15 AM
友人に、珈琲豆を挽くのも今は億劫で豆を駄目にしちゃったとポロっと話したら、私の大好きな地元の和菓子屋さんのドリップバッグをお菓子と一緒にたくさん送ってくれた。優しい……
August 22, 2026 at 7:16 AM
100歳目前で元気だった祖母が突然亡くなり、日々のケアのルーティンがぽっかり消えて生活のリズムが変わったことにもおばあちゃんの不在を意識してしまってずっと落ち込んでいたが、ようやくこの不在の感覚に慣れてきた。
August 22, 2026 at 7:06 AM
祖母の姉で本家の最高齢だった大刀自が亡くなり、コロナ禍以降は止めていた昔ながらの大規模な葬儀が久々に行われたため、とにかく数がめちゃくちゃ多い親族の中で二日間揉まれまくりやっと解放されてグッタリしている。
July 17, 2026 at 7:09 AM
上半期を振り返って一番揺さぶられた小説は、トニ・モリスンの短篇『レシタティフ』(篠森ゆりこ訳)。

児童施設で出会った8歳のトワイラとロバータの、その後の数十年間における4度の再会。
2人の女性どちらが白人でどちらが黒人であるかは最後まで分からないままで、物語中の数多の人種コードを追うことで自分が持つ偏見も露わになってしまう読書となる。
ラストシーンでの、2人がともに過去を振り返り見つめ直したことで至った感情に、たまらない気持ちになった。
June 30, 2026 at 9:55 AM
#2026年上半期の本ベスト約10冊
読んだ順。

◆『レシタティフ』トニ・モリスン/篠森ゆりこ訳
◆『ジェイムズ』パーシヴァル・エヴェレット/木原善彦訳
◆『死について!』スタッズ・ターケル/金原瑞人・野沢佳織・築地誠子訳
◆『ガールズ・ノワール ハードボイルドよりも苛烈な彼女たちのブックガイド』霜月蒼
◆『男と女とチェーンソー 現代ホラー映画におけるジェンダー』キャロル・J・クローヴァー/小島朋美訳
(続く)
June 30, 2026 at 9:48 AM
あと『このホラーがすごい!』を読んでいたら、S・キングの最新長編のお値段にビビった。
上下巻それぞれ¥4,675で、合計¥9,350って……!前作からものすっごい値上がりしていてマジで驚いた。
一年も前に発売した本の値段なんて本当に今更すぎるけど、私は前作を積んでいて今作は買わなかったので、今初めて知ったよ。
これまで長編は上下巻各¥2,930だったから、一年で¥1,705も値上がりしてる。ページ数はほぼ同じ。
円安がヤバすぎるし翻訳権料も高騰してるのだろうけど、キングの長編を読むのに毎年約6,000円か〜高いよねと思っていたのが急に9,350円って、レジで初めて知ったら焦りまくると思う。
June 24, 2026 at 8:26 AM
今年の『このホラーがすごい!』、作家のエッセイ+近刊情報のページで澤村伊智が『怪談小説という名の小説怪談』の二次文庫版発売について、新潮社による週刊誌での民族差別的記事の掲載と被害者への対応の不誠実さを理由に「この会社に自分の小説で商売してほしくない」と考えたため版権を移したと経緯を書いていた。
再文庫化しますとだけ紹介することもできたのに、自分に与えられた誌面・機会にあえてキッチリと「異議申し立て」を語る姿勢がめちゃくちゃ良いと思った。
June 24, 2026 at 8:18 AM
有名作家の初ホラー作品として話題の小説、宣伝が「因習村」を押し出していて買わずにいたが、評判が良いから結局読んだが……うまいけれどすごくモヤモヤした。

女の心身に文字通り地獄の苦しみを生涯与え続けて生贄とする外法によって潤ってきた村の話なのだけど、その呪いと暴虐を女に押し付けてくる奴らに女が抗う物語ではなく、呪いを利用して個人的理由から復讐を企てる男の物語だったのが嫌で……。
呪いの主にもかかわらず、嬲られ犠牲となり続ける女性たちの主体性は遠景に退き、物語を握り動かすのも語られる感情も男性という、いつもの光景のやり切れなさ。
そんなメタ的視点で見て感じる絶望感も含めて「ホラー」ではあったが。
June 24, 2026 at 8:07 AM
先月末から忙しすぎて虚無だったけど、やっと落ち着いて今日は久しぶりにフルで休みを取れたので、朝一番にパン屋へ行って珈琲豆も買って帰って先週のトニー賞授賞式を観たら、P!NKの司会とパフォーマンスが最高だった!
P!NKが歌う「Lady Marmalade」の替え歌に合わせてノミネート俳優や作品の演者たちが次々に歌唱とダンスに加わって最後にはステージと会場を埋め尽くし、まだオープニングなのに盛り上がり最高潮でもはやクライマックスだった。
June 17, 2026 at 7:51 AM
性暴力被害へ遭われた方への葉々社の対応を苦しく見ていた中、今回のブックフェスタとは全く無関係とはいえ小沼理さんの当該書店での新刊イベントが何の言及もないままに開催されたらモヤモヤしてしまうな……と思っていたので、柏書房からとても誠実な声明が出たことに本当に安心した。
懸念や指摘を伝えられた時にまず取るべき行動、問題への認識と向き合い方、何より被害当事者の方への誠実な言葉がしっかり示されていた。
April 30, 2026 at 12:46 PM
3月に買った本。
有名な聞書き集であるスタッズ・ターケル『仕事!』の文庫版が出たので、何年も積んでいた『死について!』を先に読んだ。
63人の市井の人々が人生を語る言葉の奔流、年齢も境遇も職業も経験もバラバラながら皆に共通する利他の精神と、身近とは言えない他者を人間として尊重する在り方にひたすら圧倒されて、堪らない気持ちになる。
死を語ることは生を語ること、もの凄いインタビュー集だった。
March 31, 2026 at 10:16 AM
これほど生活が危機に陥ってもなお、テレビの空気が全然変わらないことが恐ろしすぎる。なんなんこの国は。
これから先の物資食糧の備蓄にも物流にも電気や医療にも本当に不安しかないんだけど、でもこの危機感が周囲に全然共有されていないことは超感じてるので、テレビの影響力ってまだまだ強いんだなと実感している。

今からでもテレビ新聞全メディアで、イランへの軍事侵攻に対する日本政府の対応は全て失敗どころか意図的に最悪な選択をしていること、他国と違ってろくに対策を取らないせいで産業にも国民の生命にも危機的事態が生じていると、事実をまともに報道してよ。てか何でしないのマジで……
March 28, 2026 at 9:48 AM
午後早く切り上げて録画していたアカデミー賞授賞式を見たが、国際長編映画賞でプレゼンターのハビエル・バルデムが言った「No to war and Free Palestine」が、同時通訳では訳されなくて最悪だった。
NHKでは「戦争反対」も「フリー・パレスチナ」も禁句なんですか?本当に最悪。
トラブルでのミスだったなら申し訳ないがわざとだとしか思えなかった。

司会のコナン・オブライエンのオープニングトークも、トランプやエプスタイン問題や今の政情について喋ってるのにそこを全然訳さないから、同時通訳だけ聞いてたらマジで意味不明な内容だよ。
禁句ワードは訳すなと事前に言われてるの?と思ってしまう。
March 16, 2026 at 8:15 AM
『プロジェクト・ランウェイ』S21を見終えた。
今シーズンは年代も出身国や人種ルーツも様々な、ゲイやノンバイナリーやトランス女性やドラァグのデザイナー達が集まっていて、審査員のロー・ローチや指導役のクリスチャン・シリアーノも含めてめちゃくちゃクィアな空間で最高だった!
司会のハイジ・クラムの異性愛者的な下ネタが逆に浮いて聞こえるレベルのクィア空間、超良かった。

サステナビリティとは真逆なギラギラの資本主義ショーを楽しむことに罪悪感がありつつ、でも毎回ものすごく美しいものが作り出されるワクワク感は別格で、毎日落ち込むことしか起きない中でここ2ヶ月間はこの番組を楽しみに毎週なんとかやっていた。
March 14, 2026 at 10:24 AM
今朝本屋で新刊棚を見ていたら、ジェフリー・ディーヴァーの短篇集が330ページくらいの薄めの文庫本なのに1,760円で、買わずにそっと戻した。
数年前までは1,500円以上する文庫というと分厚い大長編だったと思うのだけど、今はこのくらいの価格が普通になってきてヤバイ。
円安がひどすぎるし翻訳権料も高騰しているのだろうが、薄い文庫ですらここまで高くなると、よっぽど読みたい本しか買えないなと。「ちょっと気になるな〜」くらいのはもう無理だ。

そしてアガサ・クリスティの新訳が1,810円だったことにも驚愕した。
え、これが普通になるの?無理ですよ……
March 7, 2026 at 7:28 AM
子供の頃は、世界での紛争や非道が「昔のこと」ではなく自分が歳を重ねる中で起きていた・今も続いていると後から知るたびに、無関心でいた自分に恥の意識を感じてた。
しかし大人になってからはもうずっと、他国への侵攻や虐殺や民族浄化を全世界がリアルタイムで見ているにもかかわらず止められないことが常態化して、本当に苦しい。
今イランで起こっている市街地での子供を含む民間人への攻撃を目の当たりにしてすら「戦争反対」の声を冷笑する社会、そもそも戦争をろくに報道しない国になるなんて思ってなかった。
March 2, 2026 at 8:31 AM