実に面白く読んだ。
巨大な帯に巨大な文字で書かれた「本を買え、天に届くまで積み上げろ」の文言とともに示される〈愛書家七つの習慣〉は、愛書家の方々には殊に切実に響くであろう。
本書は、骸骨のアイコンと、朝顔の写真、美味しそうに焼けた日曜日のパンでおなじみの、中野善夫先生による初のエッセイ集である。これがもう名文のオンパレードであった。
詳細な感想はnoteにて。
note.com/fumi_yomitan...
実に面白く読んだ。
巨大な帯に巨大な文字で書かれた「本を買え、天に届くまで積み上げろ」の文言とともに示される〈愛書家七つの習慣〉は、愛書家の方々には殊に切実に響くであろう。
本書は、骸骨のアイコンと、朝顔の写真、美味しそうに焼けた日曜日のパンでおなじみの、中野善夫先生による初のエッセイ集である。これがもう名文のオンパレードであった。
詳細な感想はnoteにて。
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サマンサ・ハーヴィー 著/小澤身和子 訳
早川書房
なんという美しい小説だろう。あふれる言葉で、あらゆるシチュエーションで描写される地球の美しさは、言葉の宇宙線となり流星群となって私を射抜いた。
何か事件が起こるでもなく、淡々と、かつ圧倒的な筆力で描かれる16回の夜明けの景色と、六人の宇宙飛行士たちの内面が融合した、印象的な小説だ。
詳細な感想はnoteへ。
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サマンサ・ハーヴィー 著/小澤身和子 訳
早川書房
なんという美しい小説だろう。あふれる言葉で、あらゆるシチュエーションで描写される地球の美しさは、言葉の宇宙線となり流星群となって私を射抜いた。
何か事件が起こるでもなく、淡々と、かつ圧倒的な筆力で描かれる16回の夜明けの景色と、六人の宇宙飛行士たちの内面が融合した、印象的な小説だ。
詳細な感想はnoteへ。
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頭木弘樹/晶文社(2026)
入院病棟で繰り広げられる、病人同士や家族間、見舞人たちの人間模様を、鋭い観察眼で書かれた名著。人間の本性ここに極まれりといった、こわーい話もまあまあ出てくる。
同時に、知られたくないだろう筆者の愚痴や叫びといった内心がこれでもかと書かれているのがよい。
番外編の、健康に見える街の人たちを見て、初めの頃は呪詛にも近い思いを抱き、やがて目に見えぬ世界の人への関心に向かい、最終的に「みんな元気で、どうか元気で、誰も病気になりませんように」という祈りに変わってゆくところが素晴らしく、涙した。→
頭木弘樹/晶文社(2026)
入院病棟で繰り広げられる、病人同士や家族間、見舞人たちの人間模様を、鋭い観察眼で書かれた名著。人間の本性ここに極まれりといった、こわーい話もまあまあ出てくる。
同時に、知られたくないだろう筆者の愚痴や叫びといった内心がこれでもかと書かれているのがよい。
番外編の、健康に見える街の人たちを見て、初めの頃は呪詛にも近い思いを抱き、やがて目に見えぬ世界の人への関心に向かい、最終的に「みんな元気で、どうか元気で、誰も病気になりませんように」という祈りに変わってゆくところが素晴らしく、涙した。→
栗田シメイ
講談社(2026)
わずか288ページとは思えぬ内容の濃さに驚愕。ルフィ事件が大々的に報道された記憶があるのは京都事件〜狛江事件からだが、それはまさにルフィグループ末期の「断末魔」と言える状態だった。
そこに至るまでの何年にもわたる組織的な特殊詐欺スキームの立ち上げ〜構築してきた背景や、特殊詐欺→強盗致傷事件に変化していく様子が、著者による現地取材、裁判傍聴、手紙のやり取りにより網羅され一冊の本に纏められておりすごかった。まさにNetflixドラマのようだった。
栗田シメイ
講談社(2026)
わずか288ページとは思えぬ内容の濃さに驚愕。ルフィ事件が大々的に報道された記憶があるのは京都事件〜狛江事件からだが、それはまさにルフィグループ末期の「断末魔」と言える状態だった。
そこに至るまでの何年にもわたる組織的な特殊詐欺スキームの立ち上げ〜構築してきた背景や、特殊詐欺→強盗致傷事件に変化していく様子が、著者による現地取材、裁判傍聴、手紙のやり取りにより網羅され一冊の本に纏められておりすごかった。まさにNetflixドラマのようだった。
同世代な事もあり、桃の天然水とかフロムエーとか魚民とかの固有名詞が発するあの頃の空気感にどっぷり浸りつつ読んだ。本書でも変わらずの斬れ味を堪能した。
同世代な事もあり、桃の天然水とかフロムエーとか魚民とかの固有名詞が発するあの頃の空気感にどっぷり浸りつつ読んだ。本書でも変わらずの斬れ味を堪能した。
キム・ウィギョン著/小山内園子訳
新潮クレスト・ブックス(2026)
ここまで不妊治療そのものを中心に据えた文学は初めてではないだろうか。当事者として、書かれている治療の辛さや心境の一言一句が痛いほどわかった。
日本での不妊治療は菅政権時代に保険適用になったとはいえ、それでも高額な治療は言うなれば「一回数十万円のくじ引き何回引けますか」という世界だ。そうまでして果敢に治療に挑んでも成功の保証はなく、身体・財布・精神を否応なく追いつめてしまう。韓国にあっては、周囲からのプレッシャーは日本以上だと想像される。→
キム・ウィギョン著/小山内園子訳
新潮クレスト・ブックス(2026)
ここまで不妊治療そのものを中心に据えた文学は初めてではないだろうか。当事者として、書かれている治療の辛さや心境の一言一句が痛いほどわかった。
日本での不妊治療は菅政権時代に保険適用になったとはいえ、それでも高額な治療は言うなれば「一回数十万円のくじ引き何回引けますか」という世界だ。そうまでして果敢に治療に挑んでも成功の保証はなく、身体・財布・精神を否応なく追いつめてしまう。韓国にあっては、周囲からのプレッシャーは日本以上だと想像される。→
マギー・オファーレル著/小竹由美子訳
新潮クレストブックス(2021)
悲劇「ハムレット」が書かれる数年前に、同じ名の息子が亡くなっていた——
この事実から紡がれる悲劇の誕生秘話を、ほとんど情報のない劇聖の妻・アグネスの視点から描いた圧巻の創作だ。息せき切るように次から次へと映像が目に浮かぶヒリヒリした描写が素晴らしく、いまだに深く長い余韻が残る。本書を原作としたクロエ・ジャオ監督による映画も楽しみだ。→
マギー・オファーレル著/小竹由美子訳
新潮クレストブックス(2021)
悲劇「ハムレット」が書かれる数年前に、同じ名の息子が亡くなっていた——
この事実から紡がれる悲劇の誕生秘話を、ほとんど情報のない劇聖の妻・アグネスの視点から描いた圧巻の創作だ。息せき切るように次から次へと映像が目に浮かぶヒリヒリした描写が素晴らしく、いまだに深く長い余韻が残る。本書を原作としたクロエ・ジャオ監督による映画も楽しみだ。→
宮島未奈/新潮社(2025)
成瀬シリーズ最終作。
相変わらず、西浦が出てくるエピソードではキュン砲に胸を撃ち抜かれる。
最終章では、琵琶湖疏水の美しさを背景に、完結編にふさわしくみんなが港で成瀬&島崎を出迎える様子に胸が熱くなり、ウルッときてしまった。まさかここまで泣かされるとは予想外だった!
私は森見登美彦を読んだことがないし、桃鉄もやったことないので、それらを摂取していたらもっと楽しめただろうけど、宮島未奈先生の趣味全開!!っぷりがすごく自由でいいなと思った。
宮島未奈/新潮社(2025)
成瀬シリーズ最終作。
相変わらず、西浦が出てくるエピソードではキュン砲に胸を撃ち抜かれる。
最終章では、琵琶湖疏水の美しさを背景に、完結編にふさわしくみんなが港で成瀬&島崎を出迎える様子に胸が熱くなり、ウルッときてしまった。まさかここまで泣かされるとは予想外だった!
私は森見登美彦を読んだことがないし、桃鉄もやったことないので、それらを摂取していたらもっと楽しめただろうけど、宮島未奈先生の趣味全開!!っぷりがすごく自由でいいなと思った。
グアダルーペ・ネッテル著/宇野和美訳
現代書館(2025)
読者はこの物語を読み終えたとき、「これはファンタジーだ」と思うだろうか。
物語の中で、小児科医ミレレスによってファンタジーではない現実の部分も示唆され、そのことがアリナの支えとなっていたことも事実だ。
アリナが悲観からの妄言を夫に対し口走ったように、協力的な夫のアウレリオが残念ながら少数派であろうことも、また事実だろう。
それでもアリナという一人の人間が、過酷な現実に振り回されて混乱し、疲弊し、葛藤しながらも、生命の生きようとする力を幾度も目の当たりにして心の平安を得るまでの道のりには、説得力があったように思う。→
グアダルーペ・ネッテル著/宇野和美訳
現代書館(2025)
読者はこの物語を読み終えたとき、「これはファンタジーだ」と思うだろうか。
物語の中で、小児科医ミレレスによってファンタジーではない現実の部分も示唆され、そのことがアリナの支えとなっていたことも事実だ。
アリナが悲観からの妄言を夫に対し口走ったように、協力的な夫のアウレリオが残念ながら少数派であろうことも、また事実だろう。
それでもアリナという一人の人間が、過酷な現実に振り回されて混乱し、疲弊し、葛藤しながらも、生命の生きようとする力を幾度も目の当たりにして心の平安を得るまでの道のりには、説得力があったように思う。→
絶対に終電を逃さない女
扶桑社(2025)
自分の予想をはるかに上回る“虚弱”度合いに戦慄しながら読んだ。著者の幼少期の壮絶なエピソードの数々に絶句する。同時にそれらは決して珍しいものでなく、少なくない子どもが経験したであろうということが容易に想像できるのがまた辛い。
「運動会は恥晒し大会だった」という「体育の呪い」の章が心底辛すぎて泣いた。学校のある日の朝が恐怖となるほどの「喋れない苦しみ」とはいかばかりだろうか。→
絶対に終電を逃さない女
扶桑社(2025)
自分の予想をはるかに上回る“虚弱”度合いに戦慄しながら読んだ。著者の幼少期の壮絶なエピソードの数々に絶句する。同時にそれらは決して珍しいものでなく、少なくない子どもが経験したであろうということが容易に想像できるのがまた辛い。
「運動会は恥晒し大会だった」という「体育の呪い」の章が心底辛すぎて泣いた。学校のある日の朝が恐怖となるほどの「喋れない苦しみ」とはいかばかりだろうか。→
リチャード・フラナガン 著/渡辺佐智江 訳
白水社(2025)
著者の母についての回想を中心とした第七章、滂沱の涙だった。
暴力、そして死について。
折々に煌めく美しい文章にハッとさせられる作品だった。
リチャード・フラナガン 著/渡辺佐智江 訳
白水社(2025)
著者の母についての回想を中心とした第七章、滂沱の涙だった。
暴力、そして死について。
折々に煌めく美しい文章にハッとさせられる作品だった。
何度も死にかけて大きすぎる代償を払って断酒してもなお「命より大事な酒」と言い切れるのが逆に凄い。
本人と同じかそれ以上に不安だったろう妻のいみちんさんのシゴデキぶりに感服し、「ブレーキランプ5回点滅」の場面で大泣きしてしまった。→
何度も死にかけて大きすぎる代償を払って断酒してもなお「命より大事な酒」と言い切れるのが逆に凄い。
本人と同じかそれ以上に不安だったろう妻のいみちんさんのシゴデキぶりに感服し、「ブレーキランプ5回点滅」の場面で大泣きしてしまった。→
まず装丁とタイトルに釘付けになる。
なんと美しいのか。
中学の入学式での2人の出会い方が抜群に詩情に溢れていてよかった。
京都の自然を背景に、あまりにも緻密にみっしりと描かれる中学生活の行事やテストなどの描写を読んでいると、未熟で劣等感の塊でしかなかった自身の中学時代にびゅーんと連れ去られて苦しくてたまらない。
第二部の再会編では、終盤に近づくにつれて幾度もギアが上がっていってテンションが振り回され、最後にはカタルシスの落涙。
タイトル出てくるのそこなのか!と意外に思いつつも、久乃にとって重要な場面に繋がるわけで、こう来るかぁ〜と唸らされた。→
まず装丁とタイトルに釘付けになる。
なんと美しいのか。
中学の入学式での2人の出会い方が抜群に詩情に溢れていてよかった。
京都の自然を背景に、あまりにも緻密にみっしりと描かれる中学生活の行事やテストなどの描写を読んでいると、未熟で劣等感の塊でしかなかった自身の中学時代にびゅーんと連れ去られて苦しくてたまらない。
第二部の再会編では、終盤に近づくにつれて幾度もギアが上がっていってテンションが振り回され、最後にはカタルシスの落涙。
タイトル出てくるのそこなのか!と意外に思いつつも、久乃にとって重要な場面に繋がるわけで、こう来るかぁ〜と唸らされた。→
レイラ・ララミ著/木原善彦訳/白水社
フィクションということもあり、スペイン遠征隊のフロリダ探検の部分は今ひとつノリきれなかったが、奴隷のエステバニコがかつてムスタファであったときの生活の描写が、生き生きと美しくて好きだった。そこだけずっと読んでいたかった。永遠に失われたものを振り返って書いているからというのもあると思うけど。「親愛なる読者よ」とか言っていきなり話しかけてくるのが油断ならなくてチャーミングだった。→
レイラ・ララミ著/木原善彦訳/白水社
フィクションということもあり、スペイン遠征隊のフロリダ探検の部分は今ひとつノリきれなかったが、奴隷のエステバニコがかつてムスタファであったときの生活の描写が、生き生きと美しくて好きだった。そこだけずっと読んでいたかった。永遠に失われたものを振り返って書いているからというのもあると思うけど。「親愛なる読者よ」とか言っていきなり話しかけてくるのが油断ならなくてチャーミングだった。→
京都新聞取材班/講談社
京アニ放火殺人事件の経緯と詳細、および遺族と加害者への取材をまとめたもの。
加害者は、人生に行き詰まり困窮した者が陥りがちな一発逆転的発想から小説投稿するものの落選。逆に「自分の小説をパクられた」という逆恨みを募らせ犯行に至る。
京都新聞取材班/講談社
京アニ放火殺人事件の経緯と詳細、および遺族と加害者への取材をまとめたもの。
加害者は、人生に行き詰まり困窮した者が陥りがちな一発逆転的発想から小説投稿するものの落選。逆に「自分の小説をパクられた」という逆恨みを募らせ犯行に至る。
松家仁之/新潮社
本書は、皇居新宮殿造営にまつわる顛末と、その設計を担った建築家・村井俊輔の半生を中心に、複数の人物の視点から戦前〜戦後の歴史を背景にして描かれた物語である。
あくまでも史実を元にした創作であるため、調べてみると登場人物に関しては大胆にフィクショナイズされている部分も多いが、皇室の方々や政治家、外国の建築家については実名や匿名で頻出し、実際の歴史的事件などの描写もあるため、まったく違和感のない物語世界が構築されている。→
松家仁之/新潮社
本書は、皇居新宮殿造営にまつわる顛末と、その設計を担った建築家・村井俊輔の半生を中心に、複数の人物の視点から戦前〜戦後の歴史を背景にして描かれた物語である。
あくまでも史実を元にした創作であるため、調べてみると登場人物に関しては大胆にフィクショナイズされている部分も多いが、皇室の方々や政治家、外国の建築家については実名や匿名で頻出し、実際の歴史的事件などの描写もあるため、まったく違和感のない物語世界が構築されている。→
エヴァン・ダーラ著/木原善彦訳/幻戯書房
第11回日本翻訳大賞 受賞作。
読了した方々の感想の熱量がとにかくすごくて、いわく、400ページ位まで頑張って読めば、仕掛けが明らかになりめくるめく読書体験が待っていると。
そんな読書体験を私もしてみたい!と読み始め、途中でその仕掛けのネタバレをうっかり見てしまい地団駄を踏むが、気を取り直して読み続けると、果たして……
エヴァン・ダーラ著/木原善彦訳/幻戯書房
第11回日本翻訳大賞 受賞作。
読了した方々の感想の熱量がとにかくすごくて、いわく、400ページ位まで頑張って読めば、仕掛けが明らかになりめくるめく読書体験が待っていると。
そんな読書体験を私もしてみたい!と読み始め、途中でその仕掛けのネタバレをうっかり見てしまい地団駄を踏むが、気を取り直して読み続けると、果たして……
アンドレア・アブレウ 著/村岡直子・五十嵐絢音 訳/国書刊行会
裏表紙の帯に引用されている句読点のない文章を読んで、こここ、これが決壊する文体……ついていけるかしらんと一抹の不安を覚えるも、それはほんの一部で、全部が決壊している訳ではなく、むしろ一気読みだった。
自由なお金も移動手段も持たない子ども特有の、閉塞感あふれる田舎の長い夏休み。海が行き止まりとなる火山島で、別荘地には余所者が来ていて、でも住んでいるのは山の上の集落だから海には行けなくて水路でビーチごっこをする、臆病なわたしと物怖じしない親友のイソラ。→
アンドレア・アブレウ 著/村岡直子・五十嵐絢音 訳/国書刊行会
裏表紙の帯に引用されている句読点のない文章を読んで、こここ、これが決壊する文体……ついていけるかしらんと一抹の不安を覚えるも、それはほんの一部で、全部が決壊している訳ではなく、むしろ一気読みだった。
自由なお金も移動手段も持たない子ども特有の、閉塞感あふれる田舎の長い夏休み。海が行き止まりとなる火山島で、別荘地には余所者が来ていて、でも住んでいるのは山の上の集落だから海には行けなくて水路でビーチごっこをする、臆病なわたしと物怖じしない親友のイソラ。→
各界の方々の「つくって食べる日々」=自炊について書かれたエッセイ集。
料理や食べることが大好きで一日中食事のことを考えている人、自炊は好きじゃないし面倒だから週2位でいいかなという人から、はたまた食に全く興味がないという人まで、自炊における様々なグラデーションがそこにあって、ホッとする。
自分も家族に出すための料理をするけれど、100パーセント料理が大好き!楽しい!とは思えない。どちらかというと義務を伴う労働だと思っているのが正直なところだ。→
各界の方々の「つくって食べる日々」=自炊について書かれたエッセイ集。
料理や食べることが大好きで一日中食事のことを考えている人、自炊は好きじゃないし面倒だから週2位でいいかなという人から、はたまた食に全く興味がないという人まで、自炊における様々なグラデーションがそこにあって、ホッとする。
自分も家族に出すための料理をするけれど、100パーセント料理が大好き!楽しい!とは思えない。どちらかというと義務を伴う労働だと思っているのが正直なところだ。→
金原ひとみ/文藝春秋
“性加害の告発”が題材だというだけで、ああキツい、これはパス、と普段ならなるところだが、金原ひとみの最新作にして最長編となれば話は別だ。彼女の怒涛の毒舌を千枚分も浴びられるのかと思ったら、手に取らずにはいられなかった。
果たして読了した結果、それはもう存分に、これまでにないほど毒気にやられ、見事に蜂の巣状態になって放心してしまった。
題材からしてエロもグロもまああって、良きにつけ悪しきにつけ、とにかく生気を吸い取られる作品なので、元気な時に覚悟を決めて読むことをおすすめする。帰還者からの伝言だ。
金原ひとみ/文藝春秋
“性加害の告発”が題材だというだけで、ああキツい、これはパス、と普段ならなるところだが、金原ひとみの最新作にして最長編となれば話は別だ。彼女の怒涛の毒舌を千枚分も浴びられるのかと思ったら、手に取らずにはいられなかった。
果たして読了した結果、それはもう存分に、これまでにないほど毒気にやられ、見事に蜂の巣状態になって放心してしまった。
題材からしてエロもグロもまああって、良きにつけ悪しきにつけ、とにかく生気を吸い取られる作品なので、元気な時に覚悟を決めて読むことをおすすめする。帰還者からの伝言だ。
造本も、東欧らしいクラシカルな色味の小花柄と赤い見返し&スピンがマッチしていて可愛らしかった。
造本も、東欧らしいクラシカルな色味の小花柄と赤い見返し&スピンがマッチしていて可愛らしかった。
レア・イピ著/山田文訳/勁草書房
社会主義下のアルバニアに育った政治学者の自伝。激動の時代を生きた11〜17歳までの少女の視点から描く。家族の出自がなかなかに複雑で引き裂かれるものがある。
時代の波に翻弄されながらも逞しく生き抜いてきた祖母のニニが、最も魅力的に映った。
友人を失い無気力になり、道ならぬ恋に泣いている主人公に「泣くんじゃありません」と諭す言葉が胸を打った。
「何かをするの。新しい本を読みなさい。新しいことばを学びなさい。やることを見つけるの」P268
レア・イピ著/山田文訳/勁草書房
社会主義下のアルバニアに育った政治学者の自伝。激動の時代を生きた11〜17歳までの少女の視点から描く。家族の出自がなかなかに複雑で引き裂かれるものがある。
時代の波に翻弄されながらも逞しく生き抜いてきた祖母のニニが、最も魅力的に映った。
友人を失い無気力になり、道ならぬ恋に泣いている主人公に「泣くんじゃありません」と諭す言葉が胸を打った。
「何かをするの。新しい本を読みなさい。新しいことばを学びなさい。やることを見つけるの」P268