カタツムリ
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「おやすみ、マイン」
神殿で過ごす初めての冬。
嫌だとごねる子供を説き伏せて家族から引き剥がした。
それが彼女の役目であり、たった一冬耐えるだけで、春から秋はまた家族の元へ帰れるのだからと言い聞かせ。
けれど彼女にとってのそれは精神安定剤にも近いものだった。
読み誤ったのは自分。
感情の嵐がそのまま彼女の蓄えた魔力に作用するのであれば、それを治めるのも自分の仕事の一つだと思考し、寝込む彼女の診察へ赴いた。
赤い顔で息を荒げ、目尻には雫が揺れている。
溢れかけている魔力を吸い取ろうと魔石を翳せば、彼女の口が何某かを紡ぐ。
魔石を額に当てながら、そっと耳を澄ませれば、それは確かな音になる。
October 5, 2026 at 5:41 PM