お人好しで世話焼きで、貧乏籤を引いても自分で決めたことに真っ直ぐで、不器用で自分のことばかりを責める生きるのが下手くそな、うつくしい人。
可能性を見せた人、群衆の中の砂金粒。
その重みを失ってからも知る。
愛を受け取ることは下手くそなのに、全身全霊で守ることだけは上手すぎであの背中が恋しくなる。あの温もりがなくて寒くなる。
瞬きの間に燃え尽きる流星、その輝きが長命な父たちの一生を縛る。
その出会いの始まりが、70年前の今日。
月が満ちる前
お人好しで世話焼きで、貧乏籤を引いても自分で決めたことに真っ直ぐで、不器用で自分のことばかりを責める生きるのが下手くそな、うつくしい人。
可能性を見せた人、群衆の中の砂金粒。
その重みを失ってからも知る。
愛を受け取ることは下手くそなのに、全身全霊で守ることだけは上手すぎであの背中が恋しくなる。あの温もりがなくて寒くなる。
瞬きの間に燃え尽きる流星、その輝きが長命な父たちの一生を縛る。
その出会いの始まりが、70年前の今日。
月が満ちる前
その色を見て、違うと真っ先に思った。なぜそう思ったのかはわからない。ただ、この色じゃないと頭に浮かんだ。
ずっと違和感がある。ふと街中で視線を巡らせ誰かを探している。その誰かが何かもわからないのに、謝らなければならないとずっと思っている。
雨の中、抱きしめた赤子の重たさに軽い、と思った。もっと重かったはずだ、軽いと思ったけれどこの赤子よりずっと重かった。
腕に抱いていたはずだった、守らなければならなかった。
それを伝える相手を、ずっとずっと探している。
そんなふがいない話を、泣きながら聞いている赤子の父をなだめすかした。
俺のために、泣かなくていいのだ。
その色を見て、違うと真っ先に思った。なぜそう思ったのかはわからない。ただ、この色じゃないと頭に浮かんだ。
ずっと違和感がある。ふと街中で視線を巡らせ誰かを探している。その誰かが何かもわからないのに、謝らなければならないとずっと思っている。
雨の中、抱きしめた赤子の重たさに軽い、と思った。もっと重かったはずだ、軽いと思ったけれどこの赤子よりずっと重かった。
腕に抱いていたはずだった、守らなければならなかった。
それを伝える相手を、ずっとずっと探している。
そんなふがいない話を、泣きながら聞いている赤子の父をなだめすかした。
俺のために、泣かなくていいのだ。
ワイワイとたくさんの仲間たちと飲んで騒ぎ、相撲や踊りで楽しむ宴会も良いけれど。たった1人の一等大切な相棒と飲む酒は何よりも美味しい、と思う。
贅沢なものなら皆で持ち寄っての宴会の方がよっぽどある。
だが、友がサッと作ってくれた酒のアテとおすすめしてくれた人の作った酒が染み入るほどに美味しい。これほどの美酒に美食はないと言えるほどに。
隣でくるくる表情を変え、目を輝かせ、笑い、時に涙ぐむ相棒が目を惹いて離さない。
「お前と過ごす時間が一番楽しいよ」
そう言って笑う友の、何と眩いことか。
この時間こそが値千金に当たる。
こんな夜をあと何度過ごせるのか、怖くなる程に。
ワイワイとたくさんの仲間たちと飲んで騒ぎ、相撲や踊りで楽しむ宴会も良いけれど。たった1人の一等大切な相棒と飲む酒は何よりも美味しい、と思う。
贅沢なものなら皆で持ち寄っての宴会の方がよっぽどある。
だが、友がサッと作ってくれた酒のアテとおすすめしてくれた人の作った酒が染み入るほどに美味しい。これほどの美酒に美食はないと言えるほどに。
隣でくるくる表情を変え、目を輝かせ、笑い、時に涙ぐむ相棒が目を惹いて離さない。
「お前と過ごす時間が一番楽しいよ」
そう言って笑う友の、何と眩いことか。
この時間こそが値千金に当たる。
こんな夜をあと何度過ごせるのか、怖くなる程に。
散々気をつけろ、慎みを持てと言っているのに真面目に取り合いはしない。
こんなおっさんに慎みなんて求めるな、外行きはちゃんとしてるだろう、などと小言を言われた倅と同じ顔で渋る。
普段がキッチリとスーツに身を包み、テキパキと働く男だからこそ気を抜いてはだける着物がどれだけ目を引くのかを理解しない。
いっそのことここで押し倒した方が理解するのだろうか。
しかし全幅の信頼を持って甘えて気を抜く姿を見るととてもそんな真似はできない。
理性があるこちらに心底感謝して欲しい。そう思いながらも今日も共に晩酌をしている。呆れたように鴉が鳴いた。
散々気をつけろ、慎みを持てと言っているのに真面目に取り合いはしない。
こんなおっさんに慎みなんて求めるな、外行きはちゃんとしてるだろう、などと小言を言われた倅と同じ顔で渋る。
普段がキッチリとスーツに身を包み、テキパキと働く男だからこそ気を抜いてはだける着物がどれだけ目を引くのかを理解しない。
いっそのことここで押し倒した方が理解するのだろうか。
しかし全幅の信頼を持って甘えて気を抜く姿を見るととてもそんな真似はできない。
理性があるこちらに心底感謝して欲しい。そう思いながらも今日も共に晩酌をしている。呆れたように鴉が鳴いた。
色々ラフ描いた結果、Xに上げたバージョンになりました!🍶
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まぁそれはそれであっちはパグむっちゃ見れて嬉しいので続けるんだけど。
私は言葉だから、まだ一回しか丸ごと持ち去られたの見たことないけど絵描きの人とかモノづくりの人辛いよね。
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私は言葉だから、まだ一回しか丸ごと持ち去られたの見たことないけど絵描きの人とかモノづくりの人辛いよね。
GIF動画はblueskyに投稿できないみたいなのでXで見て頂ければ嬉しいです🥳
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ヒヤッとした…
ヒヤッとした…
愛する存在を得て、その血を繋いで笑う姿が見たいと、本当に願っていたのだ。優しい男に家族を得て、幸せになってほしいと。
その願いを知った男は悲しそうな顔をした。
「俺は、不幸に見えるか?」
とても悲し気で、寂しそうで、自嘲するような表情だった。
「お前たちと暮らせて、幸せだ。愛っていうのが何かわからないけれど、お前たちが笑って、過ごしている姿を見ると心底安堵する。こういうのが、家族なのかなって」
でも、と男は俯く。
「そうじゃ、ないんだな」
頭を冷やしてくる、と男は外へ行った。
何を言えばいいか分からずただ失敗したと思った。
男は、帰らなかった。
愛する存在を得て、その血を繋いで笑う姿が見たいと、本当に願っていたのだ。優しい男に家族を得て、幸せになってほしいと。
その願いを知った男は悲しそうな顔をした。
「俺は、不幸に見えるか?」
とても悲し気で、寂しそうで、自嘲するような表情だった。
「お前たちと暮らせて、幸せだ。愛っていうのが何かわからないけれど、お前たちが笑って、過ごしている姿を見ると心底安堵する。こういうのが、家族なのかなって」
でも、と男は俯く。
「そうじゃ、ないんだな」
頭を冷やしてくる、と男は外へ行った。
何を言えばいいか分からずただ失敗したと思った。
男は、帰らなかった。
そんな男が、倅の泣き声一つで素早く作業を中断して愛おしそうに世話を焼く。
甘い声でどうした、と名前を呼び、体調が悪いかどうかを判断し、ただぐずっているだけなら機嫌がよくなるまで抱き上げる。
大きな掌で倅をあやし、指先をしゃぶらせては可愛いと笑う。
男の手は、まるで魔法でも使えるように数多のことを与えてくれる。温かさを分け与え、穏やかな日々を生み出す。
その愛に包まれて倅はきゃらきゃらと笑い声をあげている。
そんな男が、倅の泣き声一つで素早く作業を中断して愛おしそうに世話を焼く。
甘い声でどうした、と名前を呼び、体調が悪いかどうかを判断し、ただぐずっているだけなら機嫌がよくなるまで抱き上げる。
大きな掌で倅をあやし、指先をしゃぶらせては可愛いと笑う。
男の手は、まるで魔法でも使えるように数多のことを与えてくれる。温かさを分け与え、穏やかな日々を生み出す。
その愛に包まれて倅はきゃらきゃらと笑い声をあげている。
なまじ頑強だからこそタチの悪いしなやかさは痛みを受け止め立ち上がる強さがあった。
女子どもは守るもの、背中で庇うもの、そう強く信じていた。
人外である己の隣に立てるほどの強さは脆さとも言えた。そして自分の価値を認めない男だった。
大切と決めた存在のためになら自分を容易く投げ出す男だった。それが嫌で守りたいと願っても気づけばその背に守られていた。
どうすれば分かってくれるのか、ほとほと困り果てて泣けばおろおろと慌てていた。
その強さが悲しかった。自分の価値を誰かを守ることで実感するような、その寂しさを理解してくれない強さがつらかった。
なまじ頑強だからこそタチの悪いしなやかさは痛みを受け止め立ち上がる強さがあった。
女子どもは守るもの、背中で庇うもの、そう強く信じていた。
人外である己の隣に立てるほどの強さは脆さとも言えた。そして自分の価値を認めない男だった。
大切と決めた存在のためになら自分を容易く投げ出す男だった。それが嫌で守りたいと願っても気づけばその背に守られていた。
どうすれば分かってくれるのか、ほとほと困り果てて泣けばおろおろと慌てていた。
その強さが悲しかった。自分の価値を誰かを守ることで実感するような、その寂しさを理解してくれない強さがつらかった。
それが、全ての間違いだったと気づいたのは友が息絶えた後だった。
温もりのない、応えのない身体に、空っぽになった器だけがあってもう友はいない。その事実がこれ程の喪失感を与えるなど知らなかった。
地獄で会える、なんて笑っていたがあの男が地獄にゆくものか。
あれが巡ったとしてそれは友ではないかも知れない。
やっと手にした愛しいものを自ら手放した愚かさに嗤うことさえ出来ない。
失敗した、見送るでなく仕舞い込むべきだった。もう2度と離れないよう亡くさないよう、あれは人の子だからこそ。
赤い目が笑った。
それが、全ての間違いだったと気づいたのは友が息絶えた後だった。
温もりのない、応えのない身体に、空っぽになった器だけがあってもう友はいない。その事実がこれ程の喪失感を与えるなど知らなかった。
地獄で会える、なんて笑っていたがあの男が地獄にゆくものか。
あれが巡ったとしてそれは友ではないかも知れない。
やっと手にした愛しいものを自ら手放した愚かさに嗤うことさえ出来ない。
失敗した、見送るでなく仕舞い込むべきだった。もう2度と離れないよう亡くさないよう、あれは人の子だからこそ。
赤い目が笑った。
そう言って幼いあの子は小さな父親だけを連れて家を出た。その背中が見えなくなるまで手を振りたかった。けれど瞬きしたとたん夢のように消えてしまう。
嗚呼、失ってしまったなと痛感する。途端に喉が絞められたように息が吸えなくなった。今まで、のうのうと甘受してきた幸福の揺り返しを受けている。
日々は、ただ続く。無情にも朝は来る。
家の中には幸せな思い出が溢れていた。柱の傷、張り替えた障子、食事を囲んだちゃぶ台。すべてが、鮮やかに。
その世界に一人残された自分が滑稽で、貧相で、醜悪だ。
あぁそれでも、愛おしい思い出が瞼を閉じると浮かんでは消えて。
涙が、零れた。
そう言って幼いあの子は小さな父親だけを連れて家を出た。その背中が見えなくなるまで手を振りたかった。けれど瞬きしたとたん夢のように消えてしまう。
嗚呼、失ってしまったなと痛感する。途端に喉が絞められたように息が吸えなくなった。今まで、のうのうと甘受してきた幸福の揺り返しを受けている。
日々は、ただ続く。無情にも朝は来る。
家の中には幸せな思い出が溢れていた。柱の傷、張り替えた障子、食事を囲んだちゃぶ台。すべてが、鮮やかに。
その世界に一人残された自分が滑稽で、貧相で、醜悪だ。
あぁそれでも、愛おしい思い出が瞼を閉じると浮かんでは消えて。
涙が、零れた。
傷跡を隠すでもなく、恥じるでもなく、ただそこに生きた証を抱く姿は酷く美しい。
傷跡は痛々しく、時に痛みを伴うと言うのに歯を食いしばってでも生きようとするその強さを眩しく思う。
この強さが人間であり、陽の下で生きることを選び取ったが故だろう。
それなのに、この男の目は夕闇を見通す。そして青い水鏡にこちらを映してゆるりと笑うのだ。
誰よりも太陽の似合う男が、月の光を受けてはにかむ。
そのアンバランスな美しさに喉がなった。伸ばす指先などとうにないと言うのに。
けれど男は優しく指ひとつよこしてこんな目玉の体を撫でる。
泣き虫だな、なんて笑って黄昏時に迷い込んでいる。
手放すなど、できず。
傷跡を隠すでもなく、恥じるでもなく、ただそこに生きた証を抱く姿は酷く美しい。
傷跡は痛々しく、時に痛みを伴うと言うのに歯を食いしばってでも生きようとするその強さを眩しく思う。
この強さが人間であり、陽の下で生きることを選び取ったが故だろう。
それなのに、この男の目は夕闇を見通す。そして青い水鏡にこちらを映してゆるりと笑うのだ。
誰よりも太陽の似合う男が、月の光を受けてはにかむ。
そのアンバランスな美しさに喉がなった。伸ばす指先などとうにないと言うのに。
けれど男は優しく指ひとつよこしてこんな目玉の体を撫でる。
泣き虫だな、なんて笑って黄昏時に迷い込んでいる。
手放すなど、できず。
愛しい、眩しい風景だ。息子は笑顔で嬉しそうにその腕の中に身体を預け、男は幸せそうにまだ小さな身体を包み込んで抱きしめる。
息子からこの腕の中にはなんの不安もないと真っ直ぐに信頼されている男はその事実に気づいているのだろうか。
愛に不器用な男はことさら愛を注ぐことに長けていた。こうして誰かに心を砕くことを自然とできる、悪辣に生きようとするチグハグな男。
そのズレは男の傷の深さであり痛みだ。だから他人を内側に入れることができない。
そんな男の愛を一身に受けて息子は育ち、己は友として在る。
仄暗い優越感をひた隠し、今日も男を見つめる。己のものだ。
愛しい、眩しい風景だ。息子は笑顔で嬉しそうにその腕の中に身体を預け、男は幸せそうにまだ小さな身体を包み込んで抱きしめる。
息子からこの腕の中にはなんの不安もないと真っ直ぐに信頼されている男はその事実に気づいているのだろうか。
愛に不器用な男はことさら愛を注ぐことに長けていた。こうして誰かに心を砕くことを自然とできる、悪辣に生きようとするチグハグな男。
そのズレは男の傷の深さであり痛みだ。だから他人を内側に入れることができない。
そんな男の愛を一身に受けて息子は育ち、己は友として在る。
仄暗い優越感をひた隠し、今日も男を見つめる。己のものだ。
溢れるほどに息子に愛を伝え、妻の愛を語る男は己の知っている存在と大きく違っていた。
妻を大切にする、なんて考えもしてない人間ばかり見てきた。子を産む道具と言い切った者もいた。そんな姿に失望して表面を取り繕い心の中で唾を吐く。
その全てを覆す愛に溢れた男に、目を細める。なんで美しいんだろう。
「どうした? なんぞあるか?」
赤い目玉がこちらを見ている。真っ直ぐに、信頼を込めて。
「いい景色だと思ってなぁ」
欲しくてたまらなかった安心が目の前にある。守りたくてたまらない幸せがある。
だからもっと頑張れる。この家族を守るためになら自分は何でも出来る。
溢れるほどに息子に愛を伝え、妻の愛を語る男は己の知っている存在と大きく違っていた。
妻を大切にする、なんて考えもしてない人間ばかり見てきた。子を産む道具と言い切った者もいた。そんな姿に失望して表面を取り繕い心の中で唾を吐く。
その全てを覆す愛に溢れた男に、目を細める。なんで美しいんだろう。
「どうした? なんぞあるか?」
赤い目玉がこちらを見ている。真っ直ぐに、信頼を込めて。
「いい景色だと思ってなぁ」
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だからもっと頑張れる。この家族を守るためになら自分は何でも出来る。
会場で販売されていたものに加えて、新規グッズも追加されています。
クッションになったのはびっくりしました。
通販ページ➡ online.parco.jp/shop/e/e1105...
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