#ヨージのオススメ本
石牟礼道子『新装版 苦海浄土』(講談社)

水俣病に取材した作品。

資本の論理によって、人が人として生きる権利を剥奪され、剥き出しの生を強いられる……そうした現実は、今もこの地球上で、あるいは、私たちの身近な場でも、生じている。

そのとき、文学には、果たして何ができるのか。

私は、その答えの一つが本書だと思う。

全体を読むことが厳しければ、開いたページを拾い読みするだけでもいい。

ただし、できれば同じ著者の『椿の海の記』(河出書房新社)も合わせて読んでほしい。

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『新装版 苦海浄土』(石牟礼 道子) 製品詳細 講談社
人の尊厳とは何か いまこそ心打つ<声>を聞いてください 文字が大きく読みやすくなった新装版 工場廃水の水銀が引き起こした文明の病・水俣病。この地に育った著者は、患者とその家族の苦しみを自らのものとして、壮絶かつ清冽(せいれつ)な記録を綴った。本作は、世に出て30数年を経たいまなお、極限状況にあっても輝きを失わない人間の尊厳を訴えてやまない。末永く読み継がれるべき<いのちの文学>の新装版。
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October 26, 2026 at 7:18 AM
青木省三『ぼくらの中の「トラウマ」
——いたみを癒すということ』(筑摩書房)

どうしても本を読むのが苦手で、長い文章に目を通すことができない…という人は、「最終章 ヒロシマ──僕のトラウマから、僕らのトラウマへ」だけでもいいので、ページをめくってみてほしい。

悪魔の兵器によって「時間の奥行がない街並み」へと変貌させられた場。

そんな広島に生きる人々の営みから、筆者が考え、言葉にしたことは、例えば、主客二元論を超えた人々のありようを示唆してくれる。それはまさに、ケアの倫理という主題である。

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『ぼくらの中の「トラウマ」』青木 省三|筑摩書房
筑摩書房『ぼくらの中の「トラウマ」』の書誌情報
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October 17, 2026 at 7:11 AM
平野啓一郎『私とは何か――「個人」から「分人」へ』(講談社現代新書)

一貫性、同一性を維持する〈私〉という近代的な自己像が、いま、僕たちの…とりわけ、若い世代の心を悩ませているのなら、そうした自己像を読み換えていくこともまた、人文知における重要な課題となるだろう。

無数の他者、無数の文脈の結び目として現象するのが自己なるものである──そう考えることで、自己は、フレキシブルな複数性を生きるものとして再生される。

その、自己の編み直しの第一歩として読める本書が、この社会に在ること。その意義は大きい。

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『私とは何か――「個人」から「分人」へ』(平野 啓一郎) 製品詳細 講談社
嫌いな自分を肯定するには? 自分らしさはどう生まれるのか? 他者との距離をいかに取るか? 恋愛・職場・家族……人間関係に悩むすべての人へ。小説と格闘する中で生まれた、目からウロコの人間観!
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October 15, 2026 at 8:39 AM
魚豊『チ。―地球の運動について―』(小学館)

言わずと知れた大ヒット漫画。

物語の結末に至る直前までは、仮想された世界を舞台とするフィクションだが、そこには、ヨーロッパの近代という時代がいかにして現れ、そのパラダイムシフトのなかでどのようなことが生じていたのかをイメージさせてくれるエピソードや描写がふんだんに盛り込まれている。

そして、物語の全体の展開や構成──あるいはラファウというキャラの分裂──が、弁証法的な思考や歴史観を象徴してもいる。

人文知への入口として、相当に優秀な作品である。

#ヨージのオススメ本

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チ。―地球の運動について―の既刊一覧 | 【試し読みあり】
【試し読みあり】「チ。―地球の運動について―」の既刊情報をチェック! 既刊一覧:チ。―地球の運動について― 1 チ。―地球の運動について― 2 チ。―地球の運動について― 3 チ。―地球の運動について― 4 チ。―地球の運動について― 5 …
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October 14, 2026 at 1:17 PM
伊藤亜紗『きみの体は何者か』(筑摩書房)

私たちが自分の身体について何かしらの迷いや違和感を抱くとき、そこには、近代的な心身二元論の影響が働いているのかもしれない。

ならば、心身二元論──精神と身体を分節し、精神を優位に、身体を劣位に置く人間観──を乗り越えることは、私たちにとって非常に大切な営みになるはずだ。

本書は、そうした哲学的テーマを、「ちくまQブックス」という、中学生、あるいは小学校高学年からでもチャレンジできるレーベルで扱う、稀有な一冊。

同著者『手の倫理』の入門として。

#ヨージのオススメ本

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『きみの体は何者か』伊藤 亜紗|筑摩書房
筑摩書房『きみの体は何者か』の書誌情報
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October 13, 2026 at 1:42 PM
拙著『現代評論テーマ講義』(三省堂)で紹介あるいは言及し、かつ、高校生からでも読めそうなオススメ本を、このポストにつなげて投稿していきたいと思います。ぜひ,ご参考になさってください。

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#現代評論テーマ講義
#三省堂

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October 10, 2026 at 10:01 AM
千葉雅也『現代思想入門』(講談社現代新書)

「新書大賞2023」を受賞した本書は、ポスト構造主義の入門書として決定版だと思う。

わかりやすく丁寧な語り口で「脱構築」のイメージを持たせてくれるのみならず、それを、僕たちの「生きること」に結び付けてくれる。

「第七章 ポスト・ポスト構造主義」はかなり手強いので、いずれ力を付けてから読むのでもいい。

「付録 現代思想の読み方」は、精読の方法論として、強くオススメしたい。

僕は、この本へ向かう足場として、『現代評論テーマ講義』(三省堂)を書いた。

#ヨージのオススメ本

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『現代思想入門』(千葉 雅也) 製品詳細 講談社
《「新書大賞2023」大賞受賞!!》 人生を変える哲学が、ここにある――。 現代思想の真髄をかつてない仕方で書き尽くした、究極の「入門書」 ■デリダ、ドゥルーズ、フーコー、ラカン、メイヤスー…… 最高峰の哲学者たちの「考えていること」が面白いほどよくわかる! ■「物事を二項対立で捉えない」「すべての仕事を“ついで”にやる」…… 哲学とライフハックがダイレクトにつながる! ■きちんとしすぎる窮屈な管...
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October 11, 2026 at 11:08 AM
橋爪大三郎『はじめての構造主義』(講談社現代新書)

初版は1988年。古典的名著と言える構造主義入門の決定版。

冒頭に、

> ちょっと進んだ高校生、いや、かなりおませな中学生の皆さんにも読んでいただけるように、書いてみました

とあるように、本当に、懇切丁寧に、真摯に、「構造」という概念について解説してくれます。

そして、この「構造」という概念を理解すること無しに現代思想を学ぶことはできないので、現代思想がこの社会に必要なものである限り、本書の重要性は、これからも色褪せることないでしょう。

#ヨージのオススメ本

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『はじめての構造主義』(橋爪 大三郎) 製品詳細 講談社
西欧文明中心の近代に終わりを告げ現代思想に新しい地平を拓いた構造主義。レヴィ=ストロースの親族・神話研究の、鮮やかな方法と発想の背景に見えてくる、ソシュール言語学やモースの贈与論。そして遠近法にまでさかのぼる、数学史の水脈に隠された〈構造〉のルーツ。モダニズムからポスト構造主義への知の戦線に、軽快な文章で歯切れよく迫る! (講談社現代新書) 現代思想の原点が ビックリするほどよくわかる【入門書の決...
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October 11, 2026 at 6:59 AM
岡真理『ガザに地下鉄が走る日』(みすず書房)

「人権」とは、出自や属性を問わず、すべての人が生まれながらに持つ権利であるはずです。

愚かな生き物である私たち人間が、それでもなんとか手にすることのできた、絶対に後世へと手渡さなくてはならない、尊い理念です。

けれども、今現在はその保障が、原則、国民国家という装置に委ねられている。

ゆえに、その成員から排除され、不可視化される人々は、「人権」を剥奪された非-人間として、剥き出しのままにこの世界に投げ出されてしまっているわけです。

今、この瞬間にも。

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ガザに地下鉄が走る日 | みすず書房
イスラエル建国とパレスチナ人の難民化から70年。高い分離壁に囲まれたパレスチナ・ガザ地区は「現代の強制収容所」と言われる。そこで生きるとは、いかなることだろうか。ガザが完全封鎖されてから10年以上が経つ。移動の自由はなく、物資は制限され、ミサイルが日常的に撃ち込まれ、数年おきに...
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October 10, 2026 at 10:01 AM
安田敏朗『「国語」の近代史』(中公新書)を再読。博士論文の執筆にあたり、どうしても確認しなくちゃならないことがあったので。

およそ「国語」や「日本語」というものに、とりわけ「教える」という立場でかかわる人ならば、絶対に読んでおいた方がいいよ。

自分のいま立つこの場が、どのように構築されてきて、どういった問題や課題を内包するのかということを知らなければ、我々の仕事は、すぐに暴力へと転じてしまう。

例えば僕は、教科としての国語における「古典擁護派」「文法擁護派」だけれど、その擁護の仕方には、細心の注意を払わねばならないことを改めて痛感した。

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#安田敏朗
#中公新書
August 16, 2026 at 9:28 AM
ゆえあって『宗秋月全集』(土曜美術社出版販売)の読破を試みているのだが、「猪飼野のんき眼鏡」という小説を読み終え、感情の整理がつかないほどに衝撃を受けている。

高校生の頃に文学に目覚め、大学は国語国文科で院進もし、塾予備校の国語・現代文講師として四半世紀を生きてきて、そしていま、入り直した大学院で文学研究の博士論文を執筆している僕──言い換えれば、これまでそれなりの数の文学テクストを読んできた僕──の中で、もしかしたら、この、

宗秋月「猪飼野のんき眼鏡」

が、小説ならばNo. 1かもしれない。

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#宗秋月全集
#土曜美術社出版販売
August 13, 2026 at 6:00 AM
荒川弘のマンガは、『鋼の錬金術師』でも『銀の匙』でも、緻密に緻密を極めた〈物語の構成〉が魅力の一つなわけだが、そして『黄泉のツガイ』も間違いなくそうした傑作の系譜に連なる作品になるのだろうが、もし、荒川作品の〈構成力〉に惹かれまくるなら、そういう人には、ぜひ、読んでほしい児童文学がある。〈構成の妙〉というものを僕が最も感じた文学作品、

伊藤遊『鬼の橋』(福音館書店)。

小野篁、坂上田村麻呂、そして、「鬼」。

#ヨージのオススメ本

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鬼の橋|福音館書店
鬼の橋。子どもたちに長く読み継がれる絵本・童話・科学書を作り続けている福音館書店の公式サイト。
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April 18, 2026 at 4:32 PM
「愛国心」の是非について言うなら、ぜひ読んでみてほしいのが、

遅塚忠躬『フランス革命 歴史における劇薬』(岩波ジュニア新書)

です。誤解なきようにことわっておくと、この本は、「コテコテの左翼本」でもなければ「『愛国心』批判の書」でもありません。近代的な意味での「国」が持つ可能性と危険性を、先人たちへの深い深い敬意を以て著した一冊なんです。凄い、ですよ。

#ヨージのオススメ本
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#フランス革命
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フランス革命/遅塚 忠躬|岩波ジュニア新書 - 岩波書店
フランス革命とは一体何だったのか.この劇的事件の本質を人間の偉大と悲惨の両面から徹底的に追究し,その歴史的意味を考える. 遅塚 忠躬 著
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March 24, 2026 at 10:07 AM
『学校の「男性性」を問う』を、学校に限らず、教壇に立つすべての人が読むことを推奨します。

本書を読むことは、時に、自らを消してしまいたくなるほどに痛みを伴う営みとなるかもしれません。

少なくとも私にとっては、そうでした。

けれどもその痛みは、これからも教壇に立ち続ける自分には、絶対に必要な経験であったのだと思います。

#ヨージのオススメ本

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March 1, 2026 at 3:37 PM
現行の選挙制度の欠陥を指摘する声は、少なくありません。

そもそも「多数決」自体が、市民の意見を集約する方法として非合理的なものである──という考え方もあるようです。

そうしてその非合理性は、実は、フランス革命の段階から指摘されていたらしい。

これからしばらくは、もちろん、現行の選挙制度のなかで私たちは戦っていかねばなりません。

けれども、選挙制度それ自体を見直し、市民の意見を集約するための、より"まし"な方法を追求、構築していくことも大切であるはずです。

坂井豊貴『多数決を疑う』(岩波新書)

もまた、そうしたことを考える上で必須の入門書と言えるでしょう。

#ヨージのオススメ本
February 10, 2026 at 1:18 PM
最首悟が亡くなった。

最首悟と言えば、僕にとっては『能力で人を分けなくなる日』(創元社)の書き手。

こんなに素晴らしい一冊を残してくださったことに、心の底から「ありがとうございました」とお伝えしたい。

優生学に抗うための、小学生から大人まで読むことのできる一冊。

もっと、広く、広く、たくさん、たくさんの読者へと開かれていくべき一冊。
 
#ヨージのオススメ本
#最首悟
#能力で人を分けなくなる日
#創元社
#あいだで考える

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能力で人を分けなくなる日 - 創元社
正解のない問いを考え、多様な他者と生きる 最首 悟 著
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February 9, 2026 at 4:21 PM
杉原泰雄『憲法読本』(岩波ジュニア新書)

という一冊があります。

この本の読者層が、十代の子どもたち…のみならず、大人の私たちも含め、その裾野を広げていけばいくほど、

「9条を変えろ!」

みたいな暴論を口にする人は減っていくはずです。そう、信じたいです。

とりわけ、空襲の際、赤ちゃんを庇って焼け死んだ、おそらくは母親の姿を描くところだけでもいいから、一人でも多くの人たちと共有したい。

切に願います。

#ヨージのオススメ本
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#憲法読本
#杉原泰雄

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憲法読本 第4版/杉原 泰雄|岩波ジュニア新書 - 岩波書店
憲法の定評ある入門書の最新版.人権保障,権力の民主化,平和主義など世界に誇れる現憲法.その考え方を,基本から深く学ぼう. 杉原 泰雄 著
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February 9, 2026 at 1:24 PM
というわけで、これからあらためて、日本国憲法を市民皆んなで勉強し直さなきゃならんわけですが、「だったらこんな本がいいよ!」みたいなのあったら、紹介し合いましょうゼ。で、まずは私から。

南野森『10歳から読める・わかる いちばんやさしい 日本国憲法』(東京書店)

何より本当にわかりやすいし、解説が丁寧だし、総ルビだし、タイトル通り小学生だって楽しめる。それでいて、私たち大人が読んでも「なるほどなぁ…」って。オススメですよん。

#ヨージのオススメ本
February 8, 2026 at 3:49 PM
岡本恵徳『「沖縄」に生きる思想』(未来社)という本の中に、ひめゆり学徒隊を引率した仲宗根政善の日記を読みながら、「詩とは何か」について深く熟考する随想が載っている。

こんなに心に重く響く詩論には、なかなかに出合えるものじゃない。

詩とは。

文学とは。

あるいは、証言とは。

そうしたことを考える際、常に想起しないではいられない、そんな随想。

僕がこの随想を知ったのは、某大学の入試問題に使われたから。僕は予備校講師として出合ったけれど、受験生としてこの素晴らしい文章に心を震わせた人もいると思う。

願わくは、大学受験の現代文は、そうした出合いの場であってほしい。

#ヨージのオススメ本
February 7, 2026 at 5:00 PM
ヨハン・モスト「『資本論』ってめっちゃ良いんだけど、難し過ぎて労働者には読めんよなぁ…そうじゃ、だったらワシがわかりやすく解説しちゃえ」
↓
カール・マルクス「ほーん、このヨハン・モストやらの書いたやつ、なかなか悪くないねぇ…ただ、ここはこう直したほうが良いし、ここもこう直したほうが良いねぇ」

──という流れで爆誕した、

ヨハン・モスト原著/カール・マルクス加筆修正『マルクス自身の手による資本論入門』(大月書店)

の助けがなかったら、僕、『資本論』の「し」の字も理解できなかったですよ。

#ヨージのオススメ本

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マルクス自身の手による資本論入門 - 株式会社 大月書店 憲法と同い年
マルクス自身がわかりやすく加筆・改訂したただひとつの『資本論』入門 ヨハン・モスト 原著
www.otsukishoten.co.jp
January 29, 2026 at 2:07 PM
続々と刊行される推しマンガの最新巻──しかし、苛烈スケジュールのため紐解くことができない……のだが、我慢できずにまずはこちら、遠野めざ・彩乃浦助『バカ女26時』(集英社)を読んでしまった。

フートゥイという、魅力的極まりない人物がいるのだが、その「自分」を語る言葉が最高に刺さった。

この最新巻には、物語で最も幸せな時が描かれているという。

……これから起きるだろうことに胸が痛む。

しかも、この物語、回想譚なんだよな。つまり、出来事を回想する誰かは、これから起きる哀しいことをすべて知っているんだよ。

それがまた、切ない。

#ヨージのオススメ本

a.co/cCf4iQM
バカ女26時 3 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL) (Japanese Edition)
Shared via Kindle. Description: それは間違いなくしっくりくる「私の願い」だった 怪我をしたアツコと、脱出を試みるユリの前に現れたのは、仕事の依頼主であるフートゥイだった。状況を受け入れられないユリだったが、フートゥイから「逃がす代わりに…」と、ある選択を迫られる。ユリが出す答え、そして二人の逃避行の行方は――…。 今のまま旅を最後まで続けたいんだ
a.co
January 22, 2026 at 2:35 AM
中井敦子・森岡素直『ユニヴァースのこども』(創元社)、いま書き進めている(今日中になんとかする!)原稿の参考文献として読み直したのだが、私、これ、「中学生から読める哲学本の最高峰」だと思う。

言葉を大切にすることは、生き方と自分を大切にすることなんだよ、うん。

いやマジで本当にすごい。

電車の中で泣いちった。

もし私が学校の先生なら、学級文庫として教室に置いておくよ。

この一冊を置いておくことで救われる命や人生が、きっとあるから。

#ヨージのオススメ本

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ユニヴァースのこども - 創元社
正解のない問いを考え、多様な他者と生きる 中井 敦子 著
www.sogensha.co.jp
January 15, 2026 at 1:17 AM
アラブ文学研究者である岡真理に、 

「蟹の虚ろなまなざし、あるいはフライデイの旋回」

というエッセイがある。青土社より刊行の、

『彼女の「正しい」名前とは何か』

に収められている。

このエッセイには、「コミュニケーション」について、不可能性とでも言いたくなるようなその難しさが示されている。

そして、その難しさを乗り越えるための一縷の望みも。

私が、マイノリティの著した文学を論じる際、常に念頭に置く一篇である。

#岡真理
#青土社
#彼女の「正しい」名前とは何か
#ヨージのオススメ本

www.seidosha.co.jp/book/index.p...
青土社 ||哲学/思想/言語:彼女の「正しい」名前とは何か 新装版
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November 3, 2025 at 3:49 AM
三十年前、浪人生時代に読んだ一冊、斎藤忍随『プラトン』(岩波書店)を、ゆえあって読み返した。

例の「洞窟の比喩」について、〈イデア/現世〉の二項対立的な捉え方(ニーチェ的な解釈)をバリバリ脱構築してて興奮した。確かによく考えれば、あの比喩において、二つの次元は繋がっているんだよな……言われてみれば確かに。

三十年前にはまったく気づけなかったことも読めるようになっているのだから、僕のここまでの時間も、すべてが無駄だったというわけではないのかもしれない。

#ヨージのオススメ本
#斎藤忍随
#プラトン
#岩波書店
#岩波新書

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プラトン/斎藤 忍随|岩波新書 - 岩波書店
斎藤 忍随 著
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October 16, 2025 at 6:55 AM
既読の岩波新書で、知的興奮を最も味わえた一冊、あるいは、その後の哲学や思想の学びの礎となってくれた一冊は、

木村敏『心の病理を考える』(岩波書店)

です。

この一冊を読むことができれば、人文哲学系の学びの地平がぐぐぐん!と開ける、そんな名著です。

例えば、私が後年にアガンベンの言う「剥き出しの生」について学んだとき、仮にもイメージを掴めたのは、本書のおかげでした。

1994年の刊行ゆえに用語の古さなどはあるのだろうが、そこは補註などでカバーすれば、まだまだイケるはず。

復刊してほしいなぁ。

#ヨージのオススメ本

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心の病理を考える/木村 敏|岩波新書 - 岩波書店
木村 敏 著
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September 4, 2025 at 7:11 AM